地震や台風などの自然災害が頻発する日本では、停電への備えとして太陽光発電の導入を検討する方が増えている傾向にあります。連絡手段の確保や食料保存など、電気が途絶えても最低限の生活の維持が期待されています。
しかし、災害時は送電網の断絶や設備の物理的被害など、想定外の事態が発生しやすく、太陽光発電を稼働できるとは限りません。そのため、自立運転モードへの理解や、災害に備えた対策が必要です。
この記事では、災害時に太陽光発電が使えるのか、そのメリットや自立運転モードの概要、災害時に使えなくなる条件について解説していきます。災害対策に向けてこれから太陽光発電の導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
また、以下の記事では、大阪エリアで信頼できるおすすめの太陽光発電設置業者を紹介しています。
災害時に太陽光発電を活用するメリット

災害時に太陽光発電が使えることで、以下のようなメリットがあります。
それぞれのメリットについて解説していきます。
停電時でも電気が使える
災害時に太陽光発電を導入するメリットの1つが、停電時でも一定の電力を確保できる点です。災害が発生すると、送電網に被害が及び、広範囲で長時間の停電が発生するケースがあります。
そのような状況でも、太陽光発電設備が稼働していれば、自立運転モードに切り替えることで、以下への電力供給が可能です。
- 照明
- スマートフォンの充電
- 小型家電
特に昼間の時間帯には、太陽光パネルが発電を継続できるため、蓄電池がない場合でも一部の電化製品を使用できます。停電中の生活環境を確保する手段として、太陽光発電は有効であり、防災の観点からも注目されています。
連絡・情報収集の手段を確保できる
災害時においては、情報の取得と家族・知人との連絡手段を確保する必要があります。しかし、災害によって停電が長時間続くと、スマートフォンの充電が困難となり、通信手段を失うリスクが高まります。
そのため、太陽光発電設備があれば、スマートフォンやラジオなどの小型電子機器への給電が可能です。停電が復旧するまでの数日間を、最低限の電力供給手段を確保できるかどうかは、安否確認や避難情報の取得に直結します。
太陽光発電は、電力インフラが停止した中でも機能するエネルギー源として重宝されています。
食料を保存できる
災害発生時に停電が長引くと、冷蔵庫が停止し、食品の保存が困難になります。特に夏場は食材の傷みが早いため、衛生面や健康への影響も懸念されます。
そのため、太陽光発電を導入していれば、停電中でも冷蔵庫を稼働させることが可能です。これにより非常食だけでなく、生鮮食品や飲料なども一定期間保存できるため、食料確保が容易になります。
また、避難が困難な高齢者世帯や乳幼児がいる場合は、特に栄養バランスの維持が重要となるため、食料の安全が不可欠です。
気温を調整できる
災害時に太陽光発電を活用することで、気温調整に必要な電力を確保できるようになります。エアコンやファンヒーターなどの冷暖房器具が使用できなくなると、猛暑や厳寒の中で体温維持が困難になり、体調悪化や命に関わる事態を引き起こす恐れがあります。
太陽光発電が稼働していれば、自立運転モードを用いることで一定量の電力を確保し、必要最小限の機器を稼働させることが可能です。
災害時に効果的な自立運転モードとは

自立運転モードとは、災害によって電力会社からの送電が停止した際に、太陽光発電設備が独立して電力を供給できる機能です。
通常の太陽光発電は系統連系によって稼働しており、停電時には自動的に発電が停止します。しかし、自立運転モードを備えたパワーコンディショナでは、特定のコンセントから最大1500W程度の電力供給が可能です。
これにより、以下のような生活維持に必要な機器を運転でき、非常時の備えとなります。
- 照明
- 通信機器
- 冷蔵庫
ただし、自立運転中は日照がある時間帯に限定されます。また、手動での切り替え操作が必要なタイプもあるため、事前に操作方法を確認しておくことが重要です。
自立運転モードへの切り替え方法
自立運転モードを手動で切り替える場合、以下の手順で切り替えます。
- 通常運転を停止させる
- 自立運転モード用のコンセントに切り替える
スイッチの位置や操作手順はメーカーごとに異なるため、説明書を保管し、定期的に内容を確認しておくことが重要です。
自立運転用のコンセントは、通常目立たない位置に設置されているため、停電時でもすぐに使用できるよう、位置を把握しておくことが推奨されます。また、使用できる電力には上限があるため、接続する機器は消費電力の少ないものを優先して使用しましょう。
災害時に太陽光発電が使えなくなる条件

災害時でも太陽光発電があれば、電気を確保できますが、以下の条件では太陽光発電が使えません。
それぞれの条件について解説していきます。
自立運転機能が搭載されていない
自立運転機能がパワーコンディショナに搭載されていないと、災害時に太陽光発電が使えなくなるリスクがあります。
通常の太陽光発電システムは、電力会社の送電網と連携して稼働する、いわゆる系統連系型です。この仕組みでは、停電時の感電事故を防ぐため、自動的に発電を停止する設計になっています。
そのため、自立運転機能がなければ、発電した電気を家庭内で使用できません。特に2011年の東日本大震災以前に設置された設備には、自立運転機能が非搭載の機種も多く、災害時の電源確保には不向きとされます。
災害対策として太陽光発電を導入するのであれば、必ず自立運転機能を有したパワーコンディショナを選定するようにしましょう。
太陽光パネルの破損
地震や台風によって、屋根に設置されたパネルが損傷を受けると、発電機能そのものが失われます。これによって、発電効率の著しい低下や、完全な発電停止が生じる可能性があります。
また、架台や配線の断線も発電停止の要因となり得ます。パネルに損傷がある状態で通電を続けると、感電や火災などの二次災害を招く恐れもあるため、安全確保の観点からも使用を中止しなければいけません。
こうしたリスクに備えるために、定期的な点検が不可欠です。
曇天・大雨・降雪
太陽光発電は日射をエネルギー源とするため、曇天・大雨・降雪といった悪天候下では発電効率が著しく低下します。災害時は天候が荒れることが多く、出力が通常より落ち込むことになるでしょう。
例えば大雨では、太陽光パネルの表面に水膜が張ることで、光の透過率が下がります。降雪の場合はさらに深刻で、積雪によって発電そのものが停止する可能性があります。
これらの気象条件下では、たとえ自立運転モードが機能していても、供給される電力量が限定的となり、必要な家電の使用に支障をきたす恐れがあります。
災害時以外で太陽光発電を導入するメリット

太陽光発電設備は、災害時以外でも導入することで以下のメリットがあります。
それぞれのメリットについて解説していきます。
電気代を削減できる
太陽光発電によって確保した電力を家庭内で自家消費することで、月々の電気料金の負担を軽減できます。日中に電力使用量が多い家庭では、その効果が顕著に現れるはずです。
特に最近では電気代が高騰しており、家計への負担も軽減できます。
余った電力は売電収入にもできる
太陽光発電を導入する日常的な恩恵として、発電して使いきれなかった余剰電力を売電収入に変換できる点です。売電は固定価格買取制度(FIT)の制度に基づいており、一定期間は決まった価格で電力を買い取ってもらえる点が魅力です。
昼間に太陽光で発電した電力を自宅で使い、使わなかった分を売電することで、光熱費の削減と収入の両方が見込めます。売電価格は年々変動していますが、初期投資の回収や長期的な経済メリットを実感できるでしょう。
経済性とエネルギー自給の観点からも、太陽光発電の導入価値は高いといえます。
電気料金の高騰リスクに備えられる
近年はエネルギー価格の上昇により、電気料金が高騰傾向にあります。そうした状況下において、太陽光発電は電気料金の上昇リスクを抑える有効な手段としておすすめです。
自家発電によって日中の電力をまかなえば、電力会社から購入する電力量を減らし、その分負担を軽減できます。特に冷暖房の使用が増える時期には、発電による節約効果が大きく、年間を通じた電気代の削減にも効果的です。
脱炭素・再エネに貢献できる
太陽光発電の使用は、脱炭素社会の実現に向けた有効な手段として貢献します。化石燃料に依存しない電力を生み出すため、温室効果ガスの排出を大幅に抑えることが可能です。
家庭で使用する電力の一部または全部を太陽光で賄えば、地球温暖化対策に貢献できます。また、再生可能エネルギーとしての太陽光発電は、エネルギーの地産地消を促進し、電力需給を安定させます。
環境負荷の少ない暮らしを実現したい方には、太陽光発電の設置がおすすめです。
省エネ住宅として資産価値が高まる可能性もある
太陽光発電システムが導入された住宅は、資産価値が向上するというメリットもあります。省エネ性能の高い住宅として評価されることで、将来的な売却時に売れやすくなるでしょう。
近年では、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)基準に適合した住宅の需要が高まっており、太陽光発電を設置している住宅はその要件を満たしやすくなります。これにより、市場での評価が高まり、買い手にとっても魅力的な物件となります。
長期的な視点で見れば、資産としての価値を保ちやすいという利点が得られる点も、太陽光発電を導入うする上で注目すべきでしょう。
災害時に太陽光発電を活用するための対策

災害時に太陽光発電を確実に使うためには、以下の対策が必要です。
それぞれの対策について解説していきます。
地盤・架台を強化する
地震や台風などの自然災害では、設置したパネルが倒壊・飛散するリスクがあります。そのため、太陽光発電設備を設置する前には、地盤調査と構造計算による施工が重要です。
地盤が軟弱な場合には、基礎を補強することで耐久性を向上させることが可能です。架台についても、風速基準や積雪条件に応じた設計を行い、風圧や揺れに強い構造を採用する必要があります。
これにより、災害発生時でも太陽光発電システムが損傷を受けにくくなり、電力供給機能を確保しやすくなります。
蓄電池を導入する
太陽光発電の発電量は、天候や時間帯に左右されるため、夜間や荒天時には発電量が不足しがちです。そのため、蓄電池があれば晴天時に電力を蓄積し、停電中でも電力を供給し続けることが可能です。
冷蔵庫や照明、スマートフォンの充電といった最低限のライフラインを維持する上で、蓄電池は大きな役割を果たします。
蓄電池を適切に選定すれば、日常の電力使用の最適化にも貢献し、災害時以外の場面でも省エネ効果を実感できます。太陽光発電の導入を検討する際は、蓄電池との併用も必ず検討しましょう。
定期的にメンテナンス・修理を行う
災害時に太陽光パネルやパワーコンディショナが稼働しなければ、停電時に電力供給を行えません。太陽光パネルは長期間にわたり稼働しますが、以下の原因で発電効率が損なわれる可能性があります。
- 落ち葉や埃の付着
- 鳥のふん害
- ケーブルの劣化
そのため、年1回程度の点検を行い、異常があれば専門業者による修理・清掃を早期に実施することが重要です。
太陽光パネルの保証内容を確認しておく
災害時に太陽光発電を活用するには、太陽光パネルの保証内容を確認しておくことが重要です。どの範囲まで保証内容となるのかを把握しておくことで、安全な運用ができます。
太陽光発電の設置メーカーや業者では、災害補償が含まれるケースもありますが、対象となる災害補償条件には違いがあります。また、火災保険や動産保険とあわせて補償内容を見直すことも行いましょう。
地震保険に加入する
太陽光パネルは屋根上に設置されることが多いため、地震による揺れや落下物の衝撃で破損するリスクがあります。万が一地震で設備が損傷した場合、修理や交換にかかる費用を自己負担で賄うには、大きな負担となるでしょう。
そのため、地震保険に加入していれば、地震による被害を受けた際の経済的損失を補填でき、迅速な復旧が可能になります。災害後も太陽光発電を非常用電源として、活用できる環境を維持しやすくなります。
大阪でおすすめの太陽光発電業者3選

最後に大阪で太陽光発電を導入する際におすすめの業者を3社紹介します。
それぞれ豊富な施工実績と信頼できるアフターサポートが特徴です。以下を参考に、自分に合った業者を選びましょう。
日本電気工事株式会社

大阪市中央区に本社を構える日本電気工事株式会社は、太陽光発電や蓄電池の設置工事を専門とする施工会社です。
項目 | 詳細 |
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会社名 | 日本電気工事株式会社 |
所在地 | 〒540-0037 大阪府大阪市中央区内平野町2-2-17 交徳ビル2F |
電話番号 | 06-7711-5790 |
公式HP | https://jec.jpn.com/electrical-construction/ |
グループ会社を含めた施工実績は3,000棟以上にのぼり、屋根形状や素材に対応した施工力が評価されています。また、蓄電池やエコキュートの設置にも精通しており、省エネリフォーム全般に強みを持っています。
さらに、無料見積もりや万全のアフターフォロー体制も整っており、初めて導入する方でも安心して依頼できます。信頼性と実績を兼ね備えた日本電気工事株式会社は、大阪で太陽光発電の導入を検討している方におすすめです。
日本電気工事株式会社について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせて御覧ください。
日本電気工事株式会社の会社情報を知りたい方は、公式サイトを御覧ください。
ゴウダ株式会社

ゴウダ株式会社は、大阪府茨木市に本社を構える、太陽光発電システムの設計・施工・販売を手がける総合エネルギー企業です。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | ゴウダ株式会社 |
所在地 | 〒567-0065 大阪府茨木市上郡2-13-14 ゴウダC&Eビル |
電話番号 | 0120-1504-52 |
公式HP | https://www.goda-j.co.jp/ |
住宅用から産業用まで幅広いニーズに対応し、関西エリアにおいて豊富な施工実績を誇ります。補助金申請のサポートや施工後のアフターサービスにも力を入れており、顧客満足度の向上に努めています。
また、テスラ社の家庭用蓄電池「Powerwall」の認定施工会社としても知られ、蓄電池やV2Hシステムなど次世代エネルギーソリューションの提供にも注力しているのが特徴です。
ゴウダ株式会社について詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせて御覧ください。
株式会社日本エコシステム(大阪事業所)

株式会社日本エコシステム(大阪事業所)は、業界トップクラスの販売施工実績を誇り、豊富な施工実績と高い技術力で幅広いニーズに対応しています。
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社日本エコシステム |
所在地 | 〒559-0034 大阪府大阪市住之江区南港北2-1-10 ATCビル ITM棟 7F |
電話番号 | 06-7713-5400 |
公式HP | https://www.j-ecosystem.co.jp/ |
太陽光発電システムの設計・施工に加え、以下の省エネルギー設備の導入も手掛けており、住宅の省エネ性能向上に貢献しています。
- 蓄電池
- HEMS
- オール電化
また、経済産業省が認定する「ZEHビルダー」として登録されていて、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの普及に取り組んでいます。 住宅の省エネと創エネの両面に精通した専門スタッフを多数抱えており、総合的なアプローチを提供しています。
株式会社日本エコシステムについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も合わせて御覧ください。
まとめ
太陽光発電は、災害時の非常用電源として重要な役割を果たします。自立運転モードを活用すれば、停電時でも電力を確保でき、冷暖房や通信機器の使用が可能となります。こうした災害時の電力確保は、命を守るために重要です。
ただし、気象条件や災害による物理的損傷リスクがあるため、蓄電池の導入や保険への加入など、対策を講じる必要があります。ただ導入しただけでは、災害への備えとして不十分です。
災害に備えた設備として太陽光発電を導入したいなら、実績のある専門業者に設置を依頼してください。